今回の記事では、麻雀の役の一つである平和(ピンフ)について解説していきます。
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平和(ピンフ)の基本形
平和(ピンフ)
1翻役メンゼン役(鳴き不可)
平和(ピンフ)は、面子がすべて順子でかつ、アタマが役牌(三元牌、場風牌、自風牌)以外でかつ、両面待ちであがったときに成立します。
メンゼン役で、あがると1翻がつきます。
平和(ピンフ)の成立条件
- アタマ1組、面子4組揃えば和了
- メンゼンであること
- 4つの面子がすべて順子であること
- アタマが役牌でないこと
- テンパイ時の待ちがリャンメン待ちであること
平和(ピンフ)であがるには、上記の条件をすべて満たす必要があります。以下でさらに詳しく条件を解説していきます。
アタマ1組、面子4組が揃えば和了!
平和(ピンフ)であがるには、手牌の中でアタマ(=雀頭)1組、面子(メンツ)4組を揃える必要があります。
門前(メンゼン)であること、ポンやチーは禁止
平和(ピンフ)であがるには、『門前(メンゼン)』でないと成立しません。メンゼンというのは、『鳴き、副露(フーロ)』をしていない状態のことです。ポンやチーを1度でもしてしまうと、平和(ピンフ)にはならないということです。
なお、和了するときに『ロン』をするのは鳴きには含まれません。ロンをしても平和(ピンフ)の役は付くのです。
面子がすべて順子であること
平和(ピンフ)であがるには、4つの面子(メンツ)がすべて順子(シュンツ)である必要があります。順子は、数字が連続する3枚の数牌の組み合わせのことです。
アタマが役牌でないこと
平和(ピンフ)であがるには、アタマが役牌以外である必要があります。役牌とは、自風牌、場風牌、三元牌のことで、これらをアタマにすることは認められません。
テンパイ時の待ちがリャンメン待ちであること
あと1枚で和了になる状態のことを『聴牌(テンパイ)』といいます。平和(ピンフ)であがるには、テンパイ時にリャンメン待ちである必要があります。
リャンメン待ちとは、数字が連続した2枚の牌の組み合わせがあり、その両隣の牌が手に入ったら順子ができてあがれる状態のことです。リャンメン待ちでは、和了牌が2種類あることになります。
例えば、手牌が上のような組み合わせの場合を考えてみます。すでにアタマ1組と面子3組ができていて、残りの2枚は七索と八索になっています。この手牌では、七索と八索は数字が連続する2枚の牌の組み合わせで、その両端の六索と九索が手に入ったら順子ができて和了となるため、リャンメン待ちということになります。
- アタマ1組、面子4組揃えば和了
- メンゼンであること
- 4つの面子がすべて順子であること
- アタマが役牌でないこと
- テンパイ時の待ちがリャンメン待ちであること
麻雀用語を覚えよう
門前(メンゼン)
ポン、チーなどの鳴きをしていない状態のこと。
順子(シュンツ)
面子の一種。同じ種類で数字が連続した3枚の麻雀牌の組み合わせのこと。
役牌(ヤクハイ)
自風牌、場風牌、三元牌の総称。
聴牌(テンパイ)
あと1枚あれば上がれる状態のこと。
和了牌、待ち牌
聴牌の時、和了に必要な最後の1枚の牌のこと。
両面待ち(リャンメンまち)
手牌の中に数字が連続する2枚の牌の組み合わせがあり、その牌の両隣の牌が和了牌となっている状態のこと。
平和(ピンフ)が成立するアタマは?役牌って?
役牌以外をアタマにすること
役牌とは、自風牌、場風牌、三元牌の総称です。平和(ピンフ)であがるためには役牌をアタマにしてはいけません。
自風牌はNG
麻雀では、各プレイヤーに方角が決められていて、それを『門風(メンフォン)』と言います。門風はプレイヤーごとに固定ではなく、ゲームが進むとどんどん変わっていきます。常に親の門風が東となり、それを基準に反時計回りに南、西、北となります。
自分の門風と同じ風牌のことを『自風牌(ジカゼハイ)』と言います。例えば、親は門風が東なので、自風牌も東になります。
平和(ピンフ)を揃えるためには、自風牌をアタマにしてはいけません。
場風牌はNG
麻雀では、局ごとにも方角が決められていて、それを『場風(バカゼ)』といいます。ゲームがスタート時の場風は東で、親が1巡するごとに東⇒南⇒…と進みます。例えば、一般的に麻雀の1試合の単位として使われる『半荘(ハンチャン)』では親を2巡させるため、前半4局の場風は東、後半4局の場風は南となります。
場風の方角と同じ風牌を『場風牌(バカゼハイ)』と言います。
平和(ピンフ)を揃えるためには、場風牌をアタマにしてはいけません。
三元牌はNG
『三元牌(サンゲンパイ)』は、白(ハク)、發(ハツ)、中(チュン)の3種類の字牌のことです。
平和(ピンフ)を揃えるためには、三元牌をアタマにしてはいけません。
自風牌、場風牌、三元牌以外の字牌はOK
自風牌、場風牌、三元牌以外の字牌はアタマにしても構いません。なお、自風牌、場風牌、三元牌以外の字牌のことを『客風牌(オタカゼハイ)』と呼ぶ場合があります。
麻雀用語を覚えよう
門風(メンフォン)
各プレイヤーの方角のこと。それぞれ東家(トンチャ)、南家(ナンチャ)、西家(シャーチャ)、北家(ペーチャ)といい、常に東家のプレイヤーが親を務める。
親
ある局で、最初に番が回ってくるプレイヤーのこと。
自風牌(ジカゼハイ)
自分の門風と同じ方角の風牌のこと。
場風(バカゼ)
ある局において決められた方角のこと。ゲームスタート時は東で、親が1巡ごとに東⇒南⇒西⇒…と進む。
場風牌(バカゼハイ)
場風と同じ方角の風牌のこと。
半荘(ハンチャン)詳細
麻雀の1試合の単位のこと。親を2巡させる。
三元牌(サンゲンパイ)
白、發、中の総称のこと。
客風牌(オタカゼハイ)
自風牌でも場風牌でもない風牌のこと。
平和(ピンフ)が成立する待ちは?
両面待ちであがる
平和で和了するためには、以下のようにリャンメン待ちであがる必要があります。リャンメン待ちとは、以下の画像のようにあと順子が1組できればあがることができ、和了牌が2種類あるような状態です。
ノベタン待ちはNG
例えば、以下のような状態もリャンメン待ちと似ていて2種類の和了牌があります。
六索が手に入れば六索のペアがアタマで七、八、九索が順子になり、九索が手に入れば九索のペアがアタマで六、七、八索が順子になって和了となります。
この待ち方は『ノベタン待ち』と呼ばれ、平和は成立しません。
『23456』のような三面待ちはOK
以下のような待ち方を考えてみます。この手牌は、『三面待ち』といって3種類の牌が和了ということとなります。
二、三、四索で既に順子が完成していると見れば、四索と七索のリャンメン待ちとなります。また四、五、六索で既に順子が完成していると見れば、一索と四索のリャンメン待ちとなります。この状態もリャンメン待ちの一種と見なされるため、平和(ピンフ)であがることができます。
さらに複雑な待ちは?『2223456』は?
以下のような、さらに複雑な待ち方を考えてみます。
ここで一索や四索を手に入れれば、22でアタマ、456で順子が既に完成していたと見なされ、リャンメン待ちであがったことになります。四索や七索を手に入れた場合も、22でアタマ、234で順子が既に完成していたと見なされるためリャンメン待ちであがったことになります。そのため平和(ピンフ)が成立するわけです。この場合は、先ほど説明した『23456』のパターンと同じと考えることができます。
一方で、三索を手に入れてあがった場合は、222が刻子、456が順子と見なされるため、三索を手に入れてアタマを作ったと見なされます。六索を手に入れてあがった場合も同じで、222が刻子、345が順子と見なされ、六索を手に入れてアタマを作った扱いになります。そのため平和(ピンフ)は成立しません。この場合は、先ほど説明したノベタン待ちのパターンと同じと考えることができます。
平和(ピンフ)の成立させるためには、和了牌として手にした牌を含んだ順子を作ってあがること、その順子の待ち牌が2種類あることが条件になります。どの牌を手にしてあがるかが重要となるのです。
麻雀用語を覚えよう
三面待ち、三面張
和了牌が3種類ある状態のこと。
ノベタン待ち
数字の連続した4枚の数牌が手牌にあり、その両端の牌でアタマを作れば上がれる状態のこと。和了牌が2種類ある。
平和(ピンフ)の点数は?
麻雀の点数は、役ごとに決まっているわけではなく、手牌の組み合わせや和了の仕方など、様々な条件で決まります。
同じ平和(ピンフ)で和了した場合でも、そのほかの条件によって点数は変わっていきます。ただ、あくまで参考ですが、親なら1,500点程度、子なら1,000点程度となる場合が多いでしょう。
まとめ
- 1翻役、メンゼン役
- 4つの面子がすべて順子であることが条件
- アタマが役牌でないことが条件
- テンパイ時の待ち方がリャンメン待ちであることが条件