今回の記事では、立直(リーチ)について解説していきます。麻雀の一番基本的な役ではありますが、意外とルールが複雑な役なので注意が必要です。
Contents
立直(リーチ)の基本形
立直(リーチ)
1翻役メンゼン役(鳴き不可)
立直(リーチ)は、テンパイになった時に「リーチ!」と宣言し、1000点棒を場に出すことで成立する役です。牌の組み合わせに制限はありませんが、メンゼンである必要があります。
補足
リーチの意味は?
一般的に「リーチ」というと、あと一つで何かが揃う状態を指すと思います。しかし麻雀における『立直(リーチ)』はあくまで役の名称であり、一般用語のリーチとは微妙にニュアンスが異なるので注意しましょう。
なお、一般的に連想されるリーチは、麻雀においては『聴牌(テンパイ)』と言います。聴牌とは、あと1枚であがれる状態のことを指し、一般的にイメージされるリーチの意味合いに近いのではないでしょうか。
立直(リーチ)の条件
- アタマ1組、面子4組揃えば和了
- テンパイの状態でリーチ宣言すること
- メンゼンであること
リーチの条件は上記のようになります。以下でさらに詳しく条件を解説していきます。
アタマ1組、面子4組が揃えば和了!組み合わせはなんでもOK
リーチであがるには、手牌の中でアタマ(=雀頭)1組、面子4組を揃える必要があります。
テンパイしたときに、リーチ宣言する
リーチは、聴牌(テンパイ)の状態になった時に「リーチ!」と宣言することで成立します。
『聴牌(テンパイ)』というのは、あと1枚あればアタマ1組と面子4組が揃ってあがれる状態のことです。なお、あがるために必要な最後の1枚の牌のことを『和了牌(あがりぱい)』と言います。
メンゼンであること、ポンやチーは禁止
リーチをかけるときは、『門前(メンゼン)』である必要があります。メンゼンというのは、『鳴き、副露(フーロ)』をしていない状態のことです。ポンやチーを1度でもしてしまうと、リーチはかけられないということになります。
- アタマ1組、面子4組揃えば和了
- テンパイの状態でリーチ宣言すること
- メンゼンであること
麻雀用語を覚えよう
聴牌(テンパイ)
あと1枚あれば上がれる状態のこと。
和了牌、待ち牌
聴牌の時、和了に必要な最後の1枚の牌のこと。
門前(メンゼン)
ポン、チーなどの鳴きをしていない状態のこと。
リーチの点数は?
麻雀の点数は、役ごとに決まっているわけではなく、手牌の組み合わせや和了の仕方など、様々な条件で決まります。
同じリーチで和了した場合でも、そのほかの条件によって点数は変わっていきます。ただ、あくまで参考ですが、親なら1,500~2,500点程度、子なら1,000~1,500点程度となる場合が多いでしょう。
リーチのかけ方は?基本ルール
立直のタイミングで、捨て牌を横向きにする(リーチ宣言牌)
リーチは、かけ方にもルールがあります。「リーチ!」と宣言したら、そのタイミングで捨て牌を横向きにします。この横向きの牌のことを『リーチ宣言牌』といい、リーチが成立していることを示す意味があります。
なお、リーチ宣言牌を他家に鳴かれてしまった場合は、次巡のときに捨て牌を改めて横向きにします。
1000点棒(リーチ棒)を場に出す
「リーチ!」と宣言したら、自分の持ち点から1000点棒を卓の中央に出しましょう。この1000点棒を『リーチ棒』と言います。
リーチ棒は、その局であがった人が回収します。つまり、リーチを宣言してそのままあがれば払った1000点棒は自分のところに戻ってきますが、他の人があがってしまうとその人に1000点支払った計算になるのです。
リーチ棒
リーチを宣言したときに場に出す1000点棒のこと。その局であがった人が回収する。
リーチ宣言牌
リーチを宣言したときの捨て牌のこと。横向きにする。
リーチ宣言後の制約やメリット
手を変えられない!和了牌以外のツモは捨てる
リーチ宣言後は、手を変えることができなくなります。つまり、和了牌以外の牌をツモった時はそのまま捨てなければいけません。もしツモった牌以外を捨てるとルール違反になります。
ロン和了、ツモ和了どっちもOK
リーチの時は、ロン和了、ツモ和了どちらもOKです。ロンは鳴きと似てきますが別物として扱うので、ロンをしてもメンゼンの条件が崩れることはありません。
あがったら1翻がプラスされる
リーチは1翻役です。リーチ宣言後にあがれば得点計算の時に1翻がプラスされます。
あがったら裏ドラを見ることができる
リーチ宣言後にあがると、『裏ドラ』を見ることができます。裏ドラは、ドラ表示牌の下に隠れている牌で、リーチであがった時のみこれも2枚目のドラ表示牌として扱います。
もし手牌の中にドラがあれば、さらに1翻プラスされることとなります。
なおこの裏ドラは、リーチであがったときのみ見ることができ、他のあがりのときは一切見ることが許されていません。
裏ドラ
ドラ表示牌の下に隠れた牌のこと。誰かがリーチであがった時だけ見ることができ、もう1枚のドラ表示牌として扱う。
いろいろなリーチや、他の役との複合
立直一発!1巡目までにあがると+1翻
リーチしてから1巡目の内にあがることができれば、『一発』という役が付きます。一発はリーチとは別に1翻の役としてカウントするので、リーチと合わせて最低でも2翻がつくことになります。
ダブルリーチ!いきなり立直をかけると2翻役に
ある局の1巡目、最初の捨て牌でいきなり立直をかけると『ダブルリーチ』という役になります。ダブルリーチは、通常のリーチにさらに1翻足した2翻役として扱います。
オープンリーチ!手牌を見せる!?
リーチする際に、わざと手牌を全部公開すると、『オープンリーチ』という役が付きます。オープンリーチは、リーチとは別に1翻の役としてカウントするので、リーチと合わせて最低でも2翻がつくことになります。
オープンリーチをかけると他家に和了牌が完全にばれてしまうので、他家がうっかりしない限りロン和了はできなくなります。ツモ和了だけを狙う役と考えるとよいでしょう。
なお、オープンリーチはいわゆるローカル役として扱われ、採用していない場合も多いので注意しましょう。
門前清自摸和(メンゼンツモ)との複合!ツモ和了すれば+1翻
『門前自摸(メンゼンツモ)』は、メンゼンの状態でツモ和了すると付く、1翻の役です。リーチ宣言後にツモ和了すれば自動的にメンゼンツモの条件も満たすことになるため、最低でも2翻つくことになります。
他のどんな役とも複合する
リーチは、手牌の組み合わせに制限がないため、基本的には他のあらゆる役と複合します。
リーチの細かいルール
リーチには、他にも様々なルールや制約があります。かなり細かいところもあるため初心者の内は読み飛ばしても構わないでしょう。
誤リーチはチョンボ!罰符で点を支払う
テンパイでないのにリーチ宣言してしまうなど、誤リーチは『チョンボ』となります。チョンボしてしまうと『罰符(ばっぷ)』というペナルティが課され、他家に罰金として点棒を支払うことになるので注意しましょう。
リーチ宣言後に流局した場合は、手牌を公開
リーチ宣言後に結局あがることができず流局となった場合は、手牌を他家に公開しましょう。これは誤リーチしていないことを確認する意味があります。
ポン、チー、カンは基本禁止だが、暗槓だけOK!
リーチはメンゼンでないと宣言できないため、基本的にはポン、チー、カンはできません。
ただし、手牌の4枚から槓子をつくる『暗槓(アンカン)』だけは認められています。これはリーチ宣言後もかわらず、『暗槓(アンカン)』は可能になります。
和了牌を見逃したら、ロン和了不可に!フリテンの扱いに
リーチ宣言後に、和了牌を見逃してしまった場合は、『フリテン』と同じ扱いとなってそれ以降ロンが不可になります。
ただし、ツモであがることは可能です。
4人リーチしたら流局
4人全員リーチをかけたら流局になります。
リーチ宣言牌をロンされたら1000点棒は不要
リーチを宣言した瞬間にその捨て牌を他家にロンされた場合は、リーチ棒の1000点を支払う必要はありません。通常の和了と同じように点数計算を行います。
牌山が4枚以上ないとリーチできない
リーチをかけるときは、牌山の残りが4枚以上あることが条件になります。リーチ宣言後にもう1回自分の番が回ってくる分の牌が残っている必要があるのです。
麻雀用語を覚えよう
チョンボ
麻雀におけるルール違反のこと。
罰符(ばっぷ)
他家に罰金として点棒を支払うペナルティのこと。
暗槓(アンカン)
自分の手牌の中から同種の麻雀牌4枚を公開し、槓子を作る手順のこと。
まとめ
- 1翻役、メンゼン役
- テンパイ時にリーチ宣言して1000点支払うのが条件
- リーチ宣言以降は手を変えられない
- あがったら裏ドラを見ることができる