今回の記事では、ロンについて解説します。
Contents
ロンって?他家の捨て牌で和了する
他人の捨て牌を取って和了するのが『ロン』
麻雀は、14枚の牌を使って『役』という特別な組み合わせを作ることができれば『和了(あがり/ホーラ)』となり、点数を得ることができます。
役を作るためには14枚の牌が必要であるにもかかわらず、麻雀における手牌は13枚しかありません。そのため、『和了牌(あがりはい)』と呼ばれる最後の1枚は、どこか別のところから補充する必要があります。
和了牌を手に入れる方法の一つとして、『ロン』があります。これは、あと1枚で和了できる状態(=テンパイ)から、他家の捨て牌を奪う方法です。他家が自分の和了牌となる種類の牌を捨てたときに、「ロン!」と声を出すことでロンが成立します。ロンが成立したら和了牌を貰って役を完成させて、和了となります。
自分で和了牌をツモるのが『ツモ』
和了する方法としては、『ロン』のほかに『ツモ』があります。ツモは和了牌を自分で引く方法です。
ロンは漢字で『栄』
ロンは、漢字で『栄』と書きます。
ちなみに、いかにも中国語のように思える『ロン』という言葉は、日本で作られた和製麻雀用語です。本場の中国にはロンという言葉はなく、単に『和』と言うそうです。『栄』という漢字も日本人が作った当て字となります。
麻雀用語を覚えよう
役(やく)詳細
麻雀牌の特別な組み合わせのこと。麻雀では、ツモって捨てることを繰り返して手牌で役を作ることを目指していく。
和了(あがり/ホーラ)詳細
役を揃えること。和了となると、揃えた役に応じた点数を得られる。
手牌(てはい)詳細
自分の持っている13枚の麻雀牌。
和了牌(あがりはい)、待ち牌詳細
和了するために必要な、最後の1枚の牌
聴牌(テンパイ)詳細
あと1枚あれば上がれる状態のこと。
他家(ターチャ)詳細
自分以外の、他のプレイヤーのこと。
捨て牌詳細
手牌から手放された牌のこと
ツモ和了、ツモ
ツモった牌が和了牌だったとき、そのままあがること。
ロンできる条件は?できないときは?
役さえできていれば、なんでもOK!
ロンをするのには、特に条件はありません。役さえ揃っていればロンできます。
ロンできないときは?役無しに注意
麻雀ゲームなどで、ロンできるはずなのにロンの選択肢が現れないときは、本当に役ができているか確認しましょう。
特に麻雀初心者にありがちなミスとして、1雀頭と4面子が揃えば役も揃うと勘違いしている場合が挙げられます。麻雀では、1雀頭と4面子を揃えた上で、さらにタンヤオなどの役の条件も満たさないと和了できません。
麻雀用語を覚えよう
雀頭(ジャントウ)、アタマ詳細
役を作るために必要な、2枚1組の麻雀牌の組み合わせのこと。上がるためには雀頭が1つ必要になる。
面子(メンツ)詳細
役を作るために必要な、3枚1組の麻雀牌の組み合わせのこと。上がるためには面子が4つ必要になる。
ロン、チー、ポンの違いは?
他家の捨て牌を奪う、『ロン』『チー』『ポン』
ロンと似ている麻雀用語として、『チー』『ポン』があります。これらもロンと同じく他家の捨て牌を奪う行為ですが、ロンとは異なります。
捨て牌で順子を作るのが、『チー』
『チー』は、他家の捨て牌を奪って『順子(シュンツ)』を作る行為のことです。以下の条件がそろったときに、チーをすることができます。
- 左隣のプレイヤーが牌を捨てたタイミングであること
- 他家がそのとき捨てた牌と、自家の手牌の内の2枚を組み合わせて順子を作れることと
チーをするときは、左隣のプレイヤーが牌を捨てたタイミングで「チー!」と発声することで成立します。
捨て牌で刻子を作るのが、『ポン』
『ポン』は、他家の捨て牌を奪って『刻子(コーツ)』を作る行為のことです。以下の条件がそろったときに、ポンをすることができます。
- 他家の誰かが牌を捨てたタイミングであること
- 他家がそのとき捨てた牌と、自家の手牌の内の2枚を組み合わせて刻子を作れることと
ポンをするときは、他家が牌を捨てたタイミングで「ポン!」と発声することで成立します。
同時に起こった時は、ロン>ポン>チーの順で優先
ロン、ポン、チーが同時に発生した場合は、ロンが最優先で、その次にポンが優先されます。
麻雀用語を覚えよう
ポン
他家の捨て牌を1枚奪って、刻子を作る行為のこと。
チー
他家の捨て牌を1枚奪って、順子を作る行為のこと。
順子(シュンツ)
面子の一種。同じ種類で数字が連続した3枚の麻雀牌の組み合わせのこと。
刻子(コーツ)
面子の一種。種類も数字も全く同じ3枚の麻雀牌の組み合わせのこと。
ロンで和了したときの点数は?
ロンとツモで点数の扱いが異なる
ロンで和了した時と、ツモで和了した時では、点数の扱いが異なります。
ロンで和了すれば、振り込んだプレイヤーが全額支払い
ロン和了した場合は、振り込んだプレイヤーが全額支払います。例えば子が3,200点の役であがれば、ロンされた人がそのまま3,200点支払います。
ツモで和了すれば、三人で支払い
ツモ和了した場合は、和了していない3人で点数を支払います。支払額は、親と子がおおよそ2:1の比率となります。例えば子が3,200点のツモ和了をした場合は、親が1,600点、子が800点ずつ支払います。
麻雀用語を覚えよう
和了(あがり/ホーラ)詳細
役を揃えて他家に公開すること。和了となると、得点を得られる。
親、子詳細
ある局において、最初に番が回ってくるプレイヤーのことを親、それ以外を子という。
振り込み、放銃(ホウジュウ)
他家の和了牌を捨ててしまい、ロンされること。動詞化して、『振り込む』『放銃する』などとも言う。
ロンできるのに、見逃してしまったときは?
ロンの見逃しは、ルール上はOK
ロンをして和了できるにも関わらず、それに気が付かず見逃してしまう場合があります。このような見逃し自体はルール違反ではありませんが、『振聴(フリテン)』という扱いになり、その後の行動に制約がかかります。
ロンを見逃すと『同巡内フリテン』に!次の自分の番までロン不可
ロン和了できるにも関わらず見逃してスルーしてしまった場合は、『同巡内フリテン』となります。この場合は、次の自分の番が来るまでロン和了できなくなります。
麻雀用語を覚えよう
同巡内振聴(どうじゅんないフリテン)
ロンを見逃してしまった場合、次の自分の番までロンができなくなるというルール、またその状態のこと。
局(きょく)詳細
麻雀のゲーム1回分のこと。1局、2局……と数える。
上家(カミチャ)
自分の左隣のプレイヤーのこと。
2人、3人が同時にロンしたときは?
2人のロンは、2人とも和了!ダブロン
2人同時にロンしたときは、2人とも和了となって点数を得られます。放銃した人は、2人にそれぞれ点数を支払います。
このようにロンで2人同時にあがることを俗に『ダブロン』などと言います。
3人のロンは流局に、三家和
3人同時にロンをした場合は、和了は認められずに流局になるルールが一般的です。このルールのことを、『三家和(サンチャホー)』と言います。
ただし、『トリロン』として3人同時の和了を認めるルールもあります。三家和とトリロンのどちらを採用するかは事前の取り決めによりますので、トラブルにならないためにはあらかじめ確認しておきましょう。
補足
三暗刻、四暗刻の時はロンできない!?
自分でツモった牌だけで作った刻子のことを、『暗刻(アンコ)』と言い、暗刻を3組揃えれば三暗刻という2翻役、4組揃えれば四暗刻という役満になります。
暗刻を作るときは、ポンはもちろんNGですが、ロンもNGです。ロン和了で三暗刻や四暗刻を作ろうとしている時は、ロンで刻子を作ると暗刻にならない点に注意しましょう。
もちろん、三暗刻も四暗刻もロンで和了すること自体は認められているため、暗刻の数の条件さえ満たしていればロンしてもOKです。
まとめ
- 他家の捨て牌であがるのがロン
- 役さえ揃えば特別な条件は無し
- ロンされた人が点数を全額支払う